日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 統一地方選 共産党議席の値打ち 島根 くらし 命守る2議席 国いいなり知事と正面対決 「原発再稼働許さない」先頭に

統一地方選 共産党議席の値打ち 島根 くらし 命守る2議席 国いいなり知事と正面対決 「原発再稼働許さない」先頭に

大国陽介候補=現 出雲市区(定数9) 尾村としなり候補=現 松江市区(定数11)

 島根県の日本共産党は、3月31日告示・4月9日投票の県議選で、尾村としなり県議=松江市区(定数11)と大国陽介県議=出雲市区(定数9)の「くらしと命を守る2議席」の絶対確保へ全力を挙げています。(遠藤秀和・島根県議団事務局長)

 県議会は定数37のうち、自民・公明が26議席(70%)と多数を占めています。2019年の県知事選で自民党県議の一部と県議会の国政野党(民主系)会派の支援を受けて初当選した官僚出身の丸山達也知事は、国の悪政を県政に持ち込むなど県民のくらしに負担と犠牲を強いる県政となっています。日本共産党以外の会派が知事提出の議案に何でも賛成し、自民・公明と民主系の会派が支える丸山県政に正面から立ち向かっているのは、日本共産党県議団の尾村としなり、大国陽介の両県議2人だけです。

少人数学級を

 丸山知事は19年11月、人口減少に打ち勝つと称し、放課後児童クラブと子どもの医療費助成という子育て支援の拡充を掲げる一方、財源確保のために少人数学級編成の縮小方針を示しました。県内では「少人数学級守れ」の大運動が起き、少人数学級の現状維持を求める署名が県PTA連合会から約4万5000人分、ゆきとどいた教育をすすめる島根の会から1万2000人分が寄せられました。

 党県議団は学校関係者や保護者を激励し、党としても申し入れを実施。議会では「放課後児童クラブと子どもの医療費助成という『福祉』と少人数学級という『教育』を一つのパッケージにし、“福祉を充実するから教育の削減を認めよ”と二者択一を迫る手法は、県民の中に対立と分断を持ち込む」と批判。密をさらに拡大させ、学校現場でのコロナ対策を後退させる少人数学級縮小はやめ、元の学級編成に戻すよう論戦しています。

 元小学校教員の小坂芳子さんは「議会で縮小反対を貫いたのは共産党だけでした。教育予算削減に賛成する議員に子どもの未来は任せられない」と期待を寄せています。

島根原発2号機の再稼働中止を求めて中国電力へ申し入れる尾村、大国の各氏ら=2022年11月22日、松江市

被災者の元へ

 島根では18年7月の西日本豪雨、20年7月豪雨、21年7、8月の豪雨など、大きな被害が相次ぎました。県西部の江の川(ごうのかわ)では、この4年間で3度にわたる水害が発生しています。災害が起こればすぐに現地に駆け付け、被災者の要望や窮状を国や県・市に届けてきたのが党県議団。寄せられた声をもとに議会で問題点を指摘し、県の被災者生活再建支援制度の拡充を実現。「全壊」と「大規模半壊」に限定されていた住宅再建の支援対象を「半壊(床上浸水)」(上限100万円)、「一部損壊(床下浸水)」(上限40万円)まで拡大させました。

 県内の災害危険箇所の整備率は19・1%、落石等通行危険箇所は7・5%と低く、県管理河川も32・07%の整備率と災害に弱い県土です。しかし、県はわずか10分間の時間短縮のために総事業費250億円の松江北道路建設(10・5キロ)の大事業に22年度から着手しています。松江北道路近傍には宍道断層(39キロ)が走り、住民からは「無秩序な乱開発は災害への対応力を弱体化させ、被害を広げる」と危惧する声も寄せられ、党県議団だけが「住民合意のない大型開発ではなく、命と安全を守る防災・減災事業こそ最優先すべき」と求めています。

 コロナや原発から県民を守るためにも、実態を踏まえた鋭い論戦を行ってきました。

 13年度、県内の一般・療養病床数は9175床ありましたが、20年度には7958床へと1217床削減。「地域医療構想」では、25年度の必要病床数は6569床と想定され、さらなる病床削減計画となっています。県内で387床あるコロナ確保病床(今年1月時点)のうち、国から再編・統廃合と名指しされた松江医療センター、玉造病院など5病院が58床ものコロナ病床を確保しています。

 党県議団は、医療や福祉現場から「今の人員ではギリギリ。このままではいざという時に命を守りきれない」との切実な声を議会で紹介。丸山知事は「島根県としては、病床削減ありきではなく、地域での議論を尊重し、地域の実情を考慮した必要な医療提供体制を守っていく」と応じました。

 「原発回帰」の新方針を打ち出した岸田政権は今夏以降、島根原発2号機を再稼働させると表明しています。

 丸山知事は22年6月、原子力規制委員会の審査が全て終わってもいないのに、県民の反対を押し切って2号機再稼働に同意しました。丸山知事は、この動きを「致し方ない」と容認し、まさに原発推進の“国いいなり”の知事です。

 党県議団は、現行の避難計画は事故時、入院患者は山陽3県への転院を迫られ、コロナ拡大などでベッドが不足すれば四国や関西へ転院させられることを告発するなど議会内外で再稼働を許さないたたかいの先頭に立ってきました。島根原発の近くで暮らす安達久美子さんは「地震のたびに原発が心配。不正・不祥事が相次ぐ島根原発の再稼働はやめてほしい。毎議会で再稼働に反対する共産党に期待しています」と話します。県幹部からも「原発マネーと無縁だから、国や電力会社にモノが言える」と一目置かれています。

 尾村、大国両県議は力を込めて言います。「国いいなりの知事に何でも賛成する議員には負けられない。県民のくらしと命を守るためにも、強く大きな党をつくって勝ち抜く」

(「しんぶん赤旗」2023年2月6日より転載)