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おはようニュース問答・・原発推進政策撤回へ国民的運動が必要だね

国内で運転する原発で最も古い関西電力美浜原発3号機(左端)=福井県美浜町

 晴男 岸田政権が原発推進政策の基本方針を決定したね。

 秋平 ああ、首相が議長を務めるGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議が昨年12月、原発の新規建設の推進、老朽原発の60年を超える運転を認めるなど「原発回帰」方針をまとめた。来月にも閣議決定し、関連法案を国会に提出する予定だ。

事故忘れたのか

 晴男 東京電力福島第1原発事故から11年余りだけれど、事故を忘れたのかと言いたい。

 秋平 まったくだ。しかも、政府自身がこれまで原則としてきたものを投げ捨てる大転換だよ。一昨年閣議決定した「第6次エネルギー基本計画」は「可能な限り原発依存度を低減する」と明記している。原発の新増設や建て替えについて政府は「想定していない」と言ってきたのに。

 晴男 自民党は昨年7月の参院選挙で、原発の新規建設などを公約に掲げていなかったな。

 秋平 首相が8月に検討を指示してわずか4カ月での決定だ。選挙で審判を仰ぐこともなく国会にもはからず、国民的な議論もないまま拙速に進める乱暴なやり方だ。

再エネ普及妨げ

 晴男 今回の方針は、気候危機やロシアのウクライナ侵略によるエネルギー情勢などに乗じて「脱炭素」や「エネルギー安定供給」をうたっている。だけど、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の「1・5度目標」達成へ、2030年までに二酸化炭素の排出量を世界で半減させる必要があるのに、原発の新設は全然間に合わない。

 秋平 電力の安定供給でも脱炭素でも効果的で優先すべきなのは、供給面で再生可能エネルギー、需要面で省エネの全面的活用だよ。

 晴男 原発への固執が再エネの普及・拡大を妨げている。

 秋平 60年を超える原発の運転も問題だ。現行の「原則40年、最長60年」ルールは事故の教訓を受けたものだ。

 晴男 老朽化した原発の原子炉は、中性子を浴び続けたことで粘り強さを失ってもろくなり、配管や機器は腐食や疲労で劣化する。安全上のリスクが増大する。

 秋平 原発には「核のごみ」など問題が山積みだ。撤回させるために国民的な運動が必要だね。

(「しんぶん赤旗」2023年1月14日より転載)