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NHK「党首に問う」 内政・外交 各党の主張・・原発推進・大軍拡の自公 対案示す共産党

 8日放映のNHK「日曜討論」―「党首に問う 2023年政治はどう動く」で、岸田自公政権と各党の立ち位置、対決構図が鮮明となりました。番組では物価高のもとでの賃上げ対策、岸田文雄首相が年頭会見で打ち出した少子化対策、原発政策や大軍拡路線と外交など内政、外交の基本点について各党党首が答えました。その主張を見ると―。

■自公 暴走政治居直り

 岸田首相は「物価高に負けない賃上げがポイント」「中長期的には構造的な賃上げ」が必要だとの認識を示すも、具体策は示さず、金融緩和・円安対策についても「日銀と連携しながら責任を果たす」と抽象論に終始しました。

 原発政策については「原子力もエネルギーの一つとして正面から考える」と強調。ウクライナ危機など“事情の変化”のもと「エネルギーの安定供給と脱炭素をいかに両立させるか」が課題などとして、再稼働・新設方針を正当化しました。

 安保3文書の決定、敵基地攻撃能力の保有と大軍拡については「安全保障環境が大変厳しい」とし、予算と財源確保について「先送りせず」と正当化。憲法との関係については触れず、司会者の「専守防衛との関係は維持されるのか」との質問にも全く答えませんでした。一方、14日に予定される日米首脳会談では「安保3文書を踏まえて日米同盟の一層の強化について議論する」としました。

 公明党の山口那津男代表は、原発再稼働や新たな原発への置きかえについては「否定することはない」と明言。敵基地攻撃能力の保有と大軍拡について、「必要最小限の能力、その行使にとどめる枠組みの中でしっかり位置づけた」「日米同盟の矛と盾という大きな意味での役割分担も変わりません」などとして、政府・自民と同様の“大うそ”を吹聴しました。

■共産党 正面からの批判

 これに対して正面から批判、対案を提示したのが日本共産党の志位和夫委員長でした。

 志位氏は、敵基地攻撃能力保有と大軍拡の問題で「専守防衛に徹し、他国に脅威を与える軍事大国にならない」「自分の国は自分で守る」という二つの大ウソを正面から厳しく批判。特に、集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行えば、報復攻撃を呼び込み国土は廃虚と化すとして、「(安保3文書の)閣議決定の撤回を求める」と表明しました。同時に、アメリカも中国も包摂する平和の枠組みをつくる「外交ビジョン」を対置。外交努力の抜本的強化を主張しました。

 また岸田首相の賃上げ論は「財界頼み」だと批判し、政治の責任で賃金を上げる具体策として内部留保課税の活用を提起。原発ゼロで脱炭素の加速を図り、子育て対策では教育費の軽減が急務だとして大学学費の半減、入学金の廃止、学校給食の無償化など緊急策を財源とともに示しました。

■維新・国民 悪政けん引鮮明

 他方、日本維新の会の馬場伸幸代表は原発政策で「新安全基準で太鼓判を押された原発は早急に再稼働を」と主張。安保3文書をめぐっては「いよいよ日本も矛の一翼を担っていく時がやってきた」などとし、米国とともに戦争する体制づくりを評価。補完・けん引勢力としての立ち位置を鮮明にしました。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は、原発問題で政府よりも前に、「次世代型の軽水炉あるいは小型モジュール炉、高速炉こういった新しい技術でリプレース、建て替えもやるべきだ」と主張してきたと“自慢”し、政府方針に「賛成」を明言。安保3文書をめぐっても、政府の閣議決定前に、国民民主党の安全保障政策をまとめて総理に持って行ったとし「ほとんどこれは入れてもらった」などと“与党ぶり”を誇示しました。

■立憲民主 専守防衛で注文

 立憲民主党の泉健太代表は原発問題で、「2050年には原発に依存しなくても良い環境をつくる」とする一方、「今のこのウクライナ情勢やエネルギー供給の逼迫(ひっぱく)を考えれば、当面、安定供給は大事にしなければいけない」などとしました。

 また敵基地攻撃能力の保有については、国会閉会後に政府内で決めたやり方を批判しつつ「この国を守るための専守防衛のための防衛力整備、これは必要だ。新しい兵器についても導入は必要」と発言。「反撃能力について何の要件も課していない、完全に権力者のフリーハンドにしている。必要性、そして専守防衛に適合するかどうかだ」と述べました。

■れいわ・社民 「戦争させない」

 れいわ新選組の櫛渕万里共同代表は、大軍拡について「それは誰を守るためなのか。特定の資本が潤う戦争経済の道に国を引きずり込もうとしている」と批判し、社民党の福島瑞穂党首は「戦前をつくらせない、戦争させない、そのために外交対話、あらゆる手段で戦争させない」と述べました。

(「しんぶん赤旗」2023年1月10日より転載)