東京電力は10月26日、福島第1原発の放射能汚染水を貯蔵するタンク群を囲む堰(せき)2力所で、たまった水を外部に直接排出したと発表しました。台風27号の接近に伴う降雨が、原子力規制委員会の認めた緊急対応を取れる状況に当たると判断したといいます。また、堰の水の地下貯水槽への移送も開始しました。
東電によると、排水した2カ所の堰は4号機原子炉建屋から南側と南西側にあります。いずれも、堰内の水を排出できる暫定基準値である放射性物質濃度を下回っていたといいます。
通常の手順では、堰の水はいったん一時貯蔵用のタンクに移送し放射性物質濃度が均一化した状態で測定した結果、基準値を下回れば排水することになっています。東電がこの手順を守れない事態が続き、規制委は24日に一部見直し、緊急時は一定の条件の下、直接排水を追認しました。