政府・東京電力が福島第1原発で高濃度のトリチウム(3重水素)などを含む汚染水(ALPS処理水)を薄めて海洋放出しようとしている問題で、放出に反対する全国からの署名が21日、東電と経済産業省に提出され、同時に海洋放出を行わないよう求める要請が行われました。
要請を行ったのは、宮城県漁業協同組合、福島県生活協同組合連合会、宮城県生活協同組合連合会、岩手県生活協同組合連合会、みやぎ生協・コープふくしまの5団体。署名は2021年6月に開始し、今回は第2次で、4万2千人分が提出されました。今年3月に提出された第1次署名と合わせると、22万1千人になります。
署名は、福島第1原発で発生するALPS処理水を、海洋放出は行わず、関係者、国民の理解が得られる別の方法で処理することを求めています。
東京電力では、みやぎ生協・コープふくしまの冬木勝仁代表理事・理事長が「私たちの思いや不安を受け止め、事業運営に生かしていただきたい」と要請。東電の担当者は「事業者としての責任を果たす」と述べるにとどまりました。
経産省での要請で冬木氏は「処理水の海洋放出は行わず、別の方法で処理を」と求めました。経産省の担当者は「さまざまな意見があることは重々承知している」と述べました。
署名提出後、宮城県漁協の寺沢春彦代表理事組合長は「宮城県産などの食品を消費者に食べていただけることが重要。(署名が集まったことで)消費者も不安を抱えているということを、東電や経産省に認識してもらったことに重みがある」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2022年9月22日より転載)