岸田文雄首相は22日の内外記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う水際対策に関し、10月11日から入国者数の上限を撤廃するとともに、個人旅行の解禁やビザなし渡航を解禁するなど、大幅に緩和する考えを示しました。また、同日から「全国旅行割」と「イベント割」を開始すると表明しました。新型コロナ「第7波」が過去最悪の感染者数となった要因の一つに水際対策の甘さが指摘されており、今後の動きを注視する必要があります。
首相は秋の臨時国会をめぐり、物価高やエネルギー、景気後退、円安などが「最大の論点」だとして、10月中に策定する総合経済対策について、30日に具体的な指示を行う考えを示しました。
首相は軍事費倍増について問われ、「その取り組みを、透明性を持って、周辺国にも丁寧に説明していく」と述べました。しかし、実際は来年度概算要求で大半を「事項要求」にして金額を示していません。
また、台湾有事での対米支援について、「平和安全法制をはじめとする国内法、法律の枠組みの中で対応する」と述べ、安保法制に基づく支援の可能性を認めました。
首相は原発再稼働について、「再稼働済み10基の原発の稼働確保に加え、原子力規制委員会による設置許可済みの7基の原発再稼働に向けて、あらゆる対応をとる」と述べ、推進する考えを改めて表明。次世代原子炉の開発、運転期間の延長なども検討するとしました。
(「しんぶん赤旗」2022年9月24日より転載)