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原発汚染水の海放出認可・・規制委 東電計画 住民に背

 東京電力福島第1原発事故で発生する放射能汚染水を処理した後に残る高濃度のトリチウム(3重水素)を含む汚染水(アルプス処理水)を薄めて海に放出する方針をめぐり、原子力規制委員会は22日、必要な設備の設置や手順などを盛り込んだ東電の実施計画を認可しました。海洋放出方針について漁業者や地元住民など多くの反対や懸念の声を置き去りにして準備が進められています。今回の認可にも「安易に海に流すことは許されない」など批判の声が上がっています。(談話14面)

 計画は、敷地内のタンクにためているアルプス処理水に含まれるトリチウム濃度を国の基準の40分の1未満になるように海水で薄め、新しく設置する海底トンネルを通じて沖合約1キロで放出するというもの。今後、東電は福島県と第1原発が立地する大熊、双葉の両町の了承を得た上で海底トンネルなどの本体工事にかかります。政府と東電は2023年4月ごろの放出開始をねらっています。

 規制委は5月、設備の安全性や放出前の放射性物質の濃度分析、緊急時対策などを妥当とする審査書案を了承。6月17日まで30日間実施した一般からの意見募集では、「海洋放出しなくてもリスク低減は十分可能」「地上での恒常的タンクという優れた代替案をとるべきである」という技術的な意見や、「未来にどのような影響があるかわからないものを放出すべきではない」といった海洋放出の賛否など計1233件の意見が寄せられました。

 政府と東電は15年、海洋放出に反対する地元漁業者に対して「関係者の理解なしには、いかなる処分も行いません」と約束しています。

 全国漁業協同組合連合会(全漁連)は先月、「全国の漁業者・国民の理解を得られないアルプス処理水の海洋放出に断固反対であることはいささかも変わるものではない」とする要望書を政府に提出したばかりです。

(「しんぶん赤旗」2022年7月23日より転載)