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原発の再稼働・新設 経団連、首相に要求

 岸田文雄首相は7月22日、長野県軽井沢町で開かれていた経団連の夏季フォーラムで講演し、脱炭素化を進めるため担当相の新設を表明しました。経団連は、休止中の原子力発電所の着実な再稼働や新型炉を含めた新増設、脱炭素社会実現への取り組み推進、軍事力の抜本的強化を求める提言をまとめ、十倉雅和会長が首相に手渡しました。

 経団連によると、現職首相が夏季フォーラムに出席するのは2014年の故安倍晋三氏以来、8年ぶり。

 岸田首相は講演の中で「電力の安定供給と脱炭素化を考えますと、原子力の活用は極めて重要である」と、原発の活用を強調。さらに、「中長期的に、次世代軽水炉、小型原子炉、核融合といった次世代技術の研究開発や原子力分野における人材育成にしっかり取り組んでいきたい」と表明しました。

 さらに岸田首相は、米国が単独で、世界の平和と繁栄を支える時代が終了しているとの認識を示し、「同盟国、あるいは同志国との協力を進めていくことが不可欠」と強調。日本として「5年以内に防衛力の抜本的強化を進めていきたい」と改めて軍拡への意欲を示しました。

 経団連は、提言の中で「運転期間60年超への延長や、革新炉を視野に入れたリプレース・新増設の方針の早急な提示が必要である」と要望。さらに、「ロシアによるウクライナ侵略を『わが事』と捉え、日米安保体制を基軸に防衛力を抜本的に強化すべきである」と軍拡推進を求めました。

(「しんぶん赤旗」2022年7月24日より転載)