地震などの対策に関する原子力規制委員会の新規制基準への適合性審査の会合が11月8日開かれました。川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)と玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の審査を申請する九州電力の説明に対し、規制委側から審査に値しない内容だと、厳しい意見が相次ぎました。
新基準では、原発で想定される地震の最大の揺れ(基準地震動)を策定する際、これまで活断層の存在が事前に指摘されていなかった地域で発生した地震に関する観測記録などを収集・分析・評価するよう求めています。
この日、九電は過去にあった16の地震を分類し、「地域差がある」「地盤の影響がない」などと検討対象から外すなどの説明をしました。
これに対し、規制委の島崎邦彦委員長代理は「(想定する地震動を)観測値が超える不名誉なことに何度も見舞われた。観測された事実を受け止め、将来起きる地震を考えるべきだ。これまでのやり方の反省をどの程度考えているのか」と指摘。他のメンバーからも「最新知見を集めるべきだ」「とてもじゃないが議論にならない」「審査の土俵にのっていない」などの意見が出されました。
会合では、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の火山対策についても議論。四国電力は大噴火として知られる9万年前の阿蘇山の噴火による火砕流が四国には到達していないと報告しました。規制委側は、海域でのデータなどを追加しないと、結論が出ないと述べました。