東京電力は11月11日、福島第1原発の汚染水タンクの1基で、側面に水滴の跡を発見したと発表しました。跡からは、1時間当たり30ミリシーベルトと高い放射線量を計測。東電は「雨水の跡の可能性もあるが、汚染水漏れの恐れも否定できない」として、原因を調べています。
東電によると、水滴の跡があったのは、4号機原子炉建屋より西側で高濃度汚染水を貯蔵しているタンク群の中の1基。10日正午ごろ、巡回していた作業員が発見し、水滴跡から5センチ離れた地点で放射線量を計測しました。
このタンクは鋼板をボルトでつなぎ合わせる簡易型で、8月に約300トンの汚染水漏れが発覚したのと同じタイプ。水滴跡はタンク南東側にある側面の鋼板のつなぎ目付近で見つかりました。9日のサーモグラフィーを使った定期調査では、タ
ンク内の水位低下は確認されていません。
また、9日の巡回中には、別のタンク群にある簡易型2基でもそれぞれ同30ミリシーベルトと同25ミリシーベルトと高い線量を計測しました。高い線量の箇所はいずれも底板と側板のつなぎ目付近で、漏えいの跡は確認されていません。
3日連続で最高値検出・・タンク北側井戸
東京電力は11月11日、福一島第1原発で、高濃度の放射能汚染水300トンの漏えいが8月に発覚したタンク北側の観測用井戸(E‐I)から9日に採取した地下水を分析した結果、1リットル当たり55万ベクレルの全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)を検出したと発表しました。
同地点では、同42万ベクレル(7日採取)、同46万ベクレル(8日)に続き今回、3日連続で過去最高値が検出されたことになります。