東京電力福島第1原発事故からの福島県二本松市の10年をまとめた記録集が3月下旬、市民の手で発行されました。
記録集の題名は「わたしたちは忘れない! 3・11大震災・原発事故から10年の記録・二本松―ほんとうの空から、原発のない社会を子どもたちに」。同市の復興共同センターなど各界各層や、原発事故のため避難してきた浪江町民らの寄稿文などでできています。
冒頭で同市放射線アドバイザーの木村真三氏(独協医科大学国際疫学研究室福島分室、准教授)が原発事故10年の歩みを執筆。元二本松市建設事業協同組合専務理事の安斎一男氏は「安全・安心は自らの手で取り戻す」とほぼ全戸除染を実施した経験を述べています。
さらに復興共同センターや生業(なりわい)訴訟の活動、浪江町からの避難者の活動、国保仮設津島診療所の話をはじめ、多彩な人たちが多角的に報告しています。
記録集を発行した、みんなでつくる二本松・市政の会の佐藤俊一共同代表は「何よりも原発のない社会を次世代へつなぐ役割と責任が、今を生きる私たちにあるのではないか。『3・11』を終わったこととするのではなく、二度と同じ被害や被災者を出すことにならないよう力を合わせていきたい」と語っています。
(「しんぶん赤旗」2021年4月4日より転載)