東京電力の関連会社「ワットラインサービス」が、電気メーター交換工事に従事する個人請負労働者に対し、2021年度の契約を結ばないという解雇に相当する通知文を送付していることが、29日までに分かりました。
全労連・全国一般労働組合計器工事関連分会は同日、緊急会議を東京都内で開き、悪質な労働組合つぶしを許さずたたかおうと決意を固めています。
ワットラインは、東電パワーグリッドが出資する東光高岳の100%子会社であり、東電と資本関係があります。3月26日付の通知で、すでに3月21日に開始している21年度の契約について、個人請負労働者とは結ばず、請負労働者がグループとなって設立した法人と契約するとの方針を示しました。
解雇・雇い止めには30日以上前の解雇予告があり、企業間の契約終了でも相当の猶予をもった予告が必要とされます。すでに開始した業務年度の契約を結ばないとする突然の通告は異常であり、全労連・全国一般は、組合つぶしが狙いだと批判しています。
個人請負の作業員は18年12月、組合を結成。20年3月に東京都労働委員会から「労働組合法上の労働者」であり、団体交渉権があると認められていますが、会社は応じていません。個人請負を打ち切り、団体交渉を拒否する狙いがあるとみられます。
都労委命令の同時期、東電は作業実績のない会社も入札に参加させ、20年3月からワットラインへの発注量を減らし、組合員は年収7割減となりました。さらに今年2月21日以降、東電は工事の発注を停止。ワットラインでも、組合未加入者などに法人を設立させ、団体交渉権のある個人請負の契約ではなく、企業間契約のように見せかけていました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月30日より転載)