原発チーム検査4件にとどまる・・コロナ影響で規制委
原子力規制委員会が原発などに対して行う原子力規制検査の4月から6月末までの実施結果が、8月19日の定例会合で報告されました。これまでの定期的な保安検査に代わって、4月から新たな検査制度に移行して初めての報告。原発に関して2件の指摘がありました。
報告では、新型コロナ感染症の拡大で、規制庁から検査官を派遣して行うチーム検査はこの3カ月間に計画していた18件のうち4件の実施にとどまりました。一方、現地の原子力規制事務所が中心に実施する日常検査は年間計画の32%が実施されました。
検査指摘事項は、東北電力女川原発2号機で起きた作業員の内部被ばくと関西電力美浜原発3号機で起きた海水ポンプの自動停止でした。安全上の「重要度」はいずれも4段階で最も低い「緑」。不正行為の有無などから判断される「深刻度」も4段階で最も軽い「IV」でした。
核ごみ調査 応募反対・・寿都町長に 小樽の漁協組合長会
北海道の片岡春雄寿都(すっつ)町長が原発から出る高レベル放射性廃棄物=核のごみの最終処分場選定の文献調査への応募を検討している問題で、小樽地区漁業協同組合長会(濱野勝男会長)は8月14日、断固反対と抗議文を採択しました。
後志(しりべし)管内8漁協と石狩湾漁協でつくる同組合長会。抗議文は、片岡町長が交付金を町づくりに生かすというが、福島第1原発事故での放射性廃棄物の風評被害などさまざまな被害を受けてきた漁業者にとっては到底受け入れることはできないと強調。地域や全道の漁業に与える悪影響は計り知れないと述べています。
「核のごみを受け入れ難い」とする条例を持つ道も同様の姿勢を取っているとし「発言の即時撤回を強く求める」と批判。新型コロナ感染症の拡大防止と回復への努力を続けているなか「北海道全体で議論されるべき重要問題が一部の関係者で進められていることに強い不信と怒りを禁じ得ず、断固反対する」としています。
(「しんぶん赤旗」2020年8月20日より転載)