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福島に生きる 生業訴訟原告 高橋政勝さん(71) 歌声はたたかいの力

高橋政勝さん

 ♪しのぶのさとに はるがきた

 ♪あづまのうさぎ めをさます

 ♪セシウムふりまかれ けがされた ふるさと

 ♪まっかなまなこで ふるさとをかえせ なりわいをかえせ

 福島市松川町に住む福島民主商工会会長の高橋政勝さん(71)が作曲した「ふくしま」の一節です。「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(中嶌孝・原告団長)のたたかいを鼓舞する歌を作曲しています。

■仲間と作詞作曲

高橋さんが作曲した楽譜

 原発事故後十数曲は作りました。「うたはたたかいとともに」と、仲間と作詞作曲をして「原発ゼロ」の運動を推進しています。

 福島うたごえ協議会の役員を務めたこともある高橋さん。「18歳の頃『うたごえ』運動にふれて感動しました。合唱団に入って楽しかった。うたごえがなかったら今の自分はない」

 2011年3月11日に東京電力福島第1原発事故が起きました。高橋さんらは同28日に「避難者を支援し一緒に復興に立ち上がろう」と、個人・団体に呼びかけて「松川復興共同センター」を立ち上げました。「松川の路」と題する機関紙を発行。避難者を励まし福島の復興を訴えてきました。

 5月になると松川工業団地跡に仮設住宅ができ避難者が暮らすようになりました。

 「被害者が納得するように汚した街を元に戻してほしい」と願う高橋さん。当時、町内会長を務めており、住民の要望をまとめ福島市に申し入れをしました。放射線量を下げる、除染を行う、そのために「仮置き場」を確保すること。福島市の対応に任せきりでなく、住民の協力も得て解決にあたりました。

 避難者と交流するなかで国と東電の姿勢は許せないと思い、生業訴訟原告団に加わりました。17年10月の福島地裁判決は、国の法的責任と東電の過失を認定。「原告の思いを真正面から受け止めてくれた。再稼働反対の運動の後押しするものだ」と言います。

■勝利の歌響かせ

 9月30日には、仙台高裁で控訴審判決が予定されています。「私たちは勝つまでたたかいぬきます。その時には勝利の歌声を響かせます。新しい曲を創作します。国と東電に国民がうけた悲劇を二度と繰り返させないために加害責任を完全に果たさせる」(菅野尚夫)

(「しんぶん赤旗」2020年8月11日より転載)