東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域に指定された福島県浪江町津島地区の住民たちが国と東京電力に原状回復と損害賠償を求めた訴訟(今野秀則原告団長)の第30回口頭弁論が福島地裁郡山支部(佐々木健二裁判長)で開かれました。今野義人さん(76)と大和田博恵さん(72)の2人の原告本人尋問と、原告側証人に立った木村真三独協医科大学国際疫学研究室准教授(放射線衛生学)に対する反対尋問が行われました。
木村准教授は2011年3月15日から16日にかけて浪江町津島地区に入り、髙い放射線量を計測、人体への影響は非常に大きかったと推測できると証言しました。
津島地区で農業を営んできた今野さんは「復興とは何か」と問われ、「自分の家を拠点に復興は始まると思うが、見通しが立たない。除染をして家に入れるようにしてほしい」と訴えました。
大和田さんは「避難して9年以上たち、津島の自宅はサルやイノシシに荒らされてしっちゃかめっちゃか。古里は忘れていません。早く(避難生活を)終わりたい。しっかり除染してほしい」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2020年7月17日より転載)