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原発賠償群馬訴訟控訴審が結審・・津波予見性が争点

高裁前で結審への思いを語る丹治さん(左)=9日、東京高裁前

判決来年1月21日

 東京電力福島第1原発事故で福島県から群馬県に避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた裁判(群馬訴訟)の控訴審の最終弁論が7月9日、東京高裁(足立哲裁判長)で開かれ、結審しました。判決は来年1月21日午後2時。

 一審の群馬訴訟では、津波の予見と事故の回避が可能であったとして、初めて国と東電の加害責任を認めましたが、国と東電がこれを不服として控訴。原告のうち91人も、被害実態を反映した賠償認定ではないとして控訴しました。

 最終弁論は4月に行われる予定でしたが、新型コロナ感染拡大や緊急事態宣言を受け、延期されていました。

 結審後、原告弁護団の鈴木克昌弁護団長らは、裁判所前に集まった支援者らに対して「控訴審で裁判官に現地検証(視察)をしてもらった意義は大きい。国の最終弁論は予見可能性に絞っていたが、これまでのこちらの主張が明らかに勝っている」と報告しました。国は最終弁論を行いましたが、東電は行いませんでした。

 原告の丹治杉江さんは「避難して10年、裁判をたたかって7年、たくさんの人に支えられてきた。今日の国の言い分を聞いて、全国でたたかっている人たちのためにも、絶対に負けられない」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2020年7月10日より転載)