東京電力福島第1原発の事故分析を行う原子力規制委員会の検討会が6月25日に開かれ、炉心溶融を起こした1~3号機の格納容器の遮蔽(しゃへい)用のふた(シールドプラグ)の間にセシウム137が合わせて10京ベクレル程度(京は兆の1万倍)残存しているとする推定が報告されました。今後の廃炉作業の障害になることが懸念されます。
シールドプラグは、放射線の遮蔽を目的に原子炉の運転中、格納容器の上に置かれます。1枚が厚さ約60センチのコンクリート製の板が3枚重ねになっています。
規制庁の推定では、上段と中段のシールドプラグの間に2、3号機でそれぞれ約7京ベクレル、約3京ベクレルが、シールドプラグの位置が大きくずれている1号機で約160兆ベクレル残留していると評価しました。
1号機は、シールドプラグ上段と中段の間に測定器を差し込んだ東電の測定結果から推定。2、3号機の推定値は、コンクリートを透過してくるガンマ線をシールドプラグ上から詳細に測定した結果から求めました。シールドプラグ中段の下面や下段の上・下面にもセシウムが付着していると考えられますが、今回の手法では測定が困難なため推定していません。
9年前の事故時に1~3号機原子炉に内包されていたセシウム137は、計約71京ベクレルとされています。
(「しんぶん赤旗」2020年6月26日より転載)