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敦賀2号問題など県に質問状を提出 反原発市民団体(福井新聞)&公開質問状の全文

公開質問状を読み上げる、サヨナラ原発福井ネットワークの若泉政人代表(撮影=福井から原発を止める裁判の会)

 日本原電敦賀原発2号機の審査データ書き換え問題や、高浜町元助役から県幹部が金品を受け取っていた問題を受け、反原発運動に取り組む市民団体「サヨナラ原発福井ネットワーク」などは26日、県へ原子力行政について問う質問状を出した。

 ▽原電に原発の再稼働を認めることができるか▽県幹部の金品受領の再調査を▽使用済み核燃料の問題は全国的に議論すべき-の3項目。同ネットの5人が県庁を訪れ書面を提出した。

 県原子力安全対策課の担当者は、書き換え問題に関し「原電が説明責任を果たす必要がある。県原子力環境安全管理協議会などの場で説明を求めたい」などと答えた。(柴田裕介)

(「福井新聞」2020年6月27日付けより転載)


2020年6月26日

福井県知事 杉本 達治様

サヨナラ原発福井ネットワーク

福井から原発を止める裁判の会

連絡先:若泉政人 tel.090-7083-8921

 

【公開質問状】

今後の福井県の原子力政策についてどのようにお考えかをご回答ください

 昨年発覚した高浜町元助役と関西電力の裏金問題や、6月4日の原子力規制委員会の審査会合にて明らかになった日本原電の資料改ざんなど、原子力発電に関する問題が噴出しています。いずれも全国一の原発立地である福井県に関わる問題です。このような問題が起きている中、今後の福井県の原子力政策はどのような方向に向かうのか、明確になっているとは言えません。コロナウイルスの感染拡大で、社会や個人の生活などを見直すことが迫られた私たちは、原発問題についても広く議論をする必要があると考えます。つきましては、標記の件について公開質問状を提出します。

回答は2週間をめどにお願いいたします。

 

【質問項目】

  1. <日本原電に対して再稼働を認めることができると考えるのか>

     去る6月4日、日本原電は、原子力規制委員会の審査会合にて敦賀原発2号機の敷地の「審査データの不適切な書き換えが八十ヵ所あったと明らかにした(6月5日 県民福井)」。日本原電は原因について、「『観察結果の記載を上書きしてはいけないという理解が希薄になっていた』(略)規制委側は(略)中断している審査の議論を再開することはできないとした(6月5日 県民福井)」とのことです。

日本原電は、これまでも、「2017年12月と昨年11月に提出した、六つの資料計約2770ページのうち約250ページに誤りがあった(2019年8月23日 福井新聞)」と認めていました。同様の「不備」は東海第二原発(2018年9月適合性審査に合格)の工事計画の認可申請書でもみられていると日本原電が認めています(2019年8月23日 第758回審査会合議事録)。

データ改ざんをする事業者に対し、知事は原発稼働を認められるとお考えでしょうか。どのようにお考えなのか、その理由と共にお示しください

 

 

  1. <高浜町元助役と関西電力、福井県の金品受け取り問題を再調査してください>

福井県職員109人が、高浜町元助役の森山氏から金品を受け取っていた問題は、福井県民・住民にも大きな衝撃でした。福井県と元助役の調査に当たった藤井健夫弁護士は、報告の際、虚偽の疑いのある回答をした者がいたことなどを明かにしました。また、関電の金品受取り問題に関する第三者委員会は、福井県・高浜町元助役・関西電力3者の懇親会があったことなどを報告しています。

上記の2つの調査を踏まえ、私たちは、福井県が再調査をし、原発とカネの問題を徹底的に検証する必要があると考えます。しかし、知事は再調査の意向を示していません。知事はこれまでの県の調査結果で、県民・住民は納得し、説明責任を果たしたとお考えでしょうか。果たしたと考えるのであれば、その理由を具体的にお示しください。その上で、県、元助役、関西電力の原発とカネに関わる徹底した再調査を求めます

また、エネルギー基本計画の議論する審議会の委員を務めてきた国際大学教授・橘川武郎氏は「金品受領問題で、日本の原発は終わったに等しい。再稼働が遅れるといったレベルのインパクトではない。原発推進派が思うよりも深刻で、野垂れ死にだ。(2020年6月9日 朝日新聞DIGITAL)」との発言をしています。知事は、この金品受領問題の本質についてどのようにお考えでしょうか

 

  1. <使用済み核燃料問題について議論すべきではないか>
     知事は、使用済み燃料の中間貯蔵施設に関して、「『私の代になっても県外で中間貯蔵、処分することを変える気はない』と、これまでの県の方針を堅持すると強調(2019年6月8日 福井新聞)」との姿勢を示しています。しかし、どこかの自治体が受け入れるのであれば、その自治体の住民は危険性や負担を強いられます。福井県外であればいいという問題ではないのではないでしょうか。

つまり、この問題は、使用済み燃料が発生することも含め、日本中で議論を喚起していく必要があると考えますが、知事はこの議論を他の立地自治体に先駆けて行う必要性についてどのようにお考えでしょうか。

 

真摯なご回答をお願いいたします。

以上