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高浜3号機 再開延期・・一部配管に損傷、12月以降に

 関西電力は4月17日、定期検査中の高浜原発3号機(福井県高浜町)について、蒸気発生器細管に損傷が見つかった問題に伴い、定期検査の終了時期を当初の5月上旬から12月22日に変更すると発表しました。

 高浜原発3号機は1月からの定期検査で、3台ある蒸気発生器(A、B、C)の2台(B、C)で各1本の細管の外面側(2次冷却水側)から損傷が見つかりました。

 関電は、異物で損傷した可能性があるとして、蒸気発生器内に小型カメラを入れるなどして調査。C蒸気発生器からは幅約5ミリ、長さ約33ミリ、厚さ約0・2ミリのステンレス鋼が見つかりました。他方、B蒸気発生器からは異物は見つからず、A蒸気発生器も調査をしたところ幅約5ミリ、長さ約24ミリ、厚さ約0・2ミリのステンレス鋼を発見しました。

 高浜原発では、一昨年は3号機、昨年は4号機で蒸気発生器細管に外面の損傷が見つかり、関電は異物が原因と推定。しかし、いずれも損傷の原因と考えられる異物が見つからず、2次冷却水の放水時に系外に放出されたと説明していました。

 今回の定期検査で関電は、2次冷却水の放出前に放水管に金属製のザルを設置し、放水後にザル内などを確認しました。しかし、細管を損傷させるような異物は見つからなかったといいます。

 関電は今後、点検範囲を拡大し異物を探索します。また、見つかった異物は配管の接手部などに使われるシール材の一部の可能性があるとして、シール材の状態を確認します。

 当初3号機は、5月上旬に定期検査を終え、本格運転に入る予定でした。そしてテロ対策施設の設置が期限までに完了しないため、8月2日に停止させ、再び定期検査に入るとしていました。関電は、今回の事態で8月2日までに運転を再開させるのは困難だとして、今回の定期検査を次の検査終了を予定していた12月22日まで継続すると発表しました。

(「しんぶん赤旗」2020年4月19日より転載)