経済産業省は3月16日、関西電力幹部らに福井県高浜町の元助役(故人)から多額の金品が渡った原発マネー環流疑惑を受け、同社に対し電気事業法に基づく業務改善命令を出しました。ガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令順守)の強化による経営体制の見直しが不可欠だと判断しました。資源エネルギー庁の高橋泰三長官が関電の森本孝社長を呼び、3月末までの改善計画提出を命じました。
大手電力会社が法令順守に関して業務改善命令を受けるのは初めて。
関電の第三者委員会は14日に公表した調査報告書で、高浜町の森山栄治元助役から計75人が総額約3億6千万円を受領していたと指摘。金品は元助役に関係する企業に関電が工事を発注する見返りだったと認定しました。
金品の金額と受領者数はとくに福島第1原発事故後に急増。原子力規制委員会の新規制基準に基づく「安全対策工事」の受注が目的だったとみられています。
関電は2018年2月の金沢国税局の税務調査に対応するため内部調査を開始。同年9月に内部調査の報告書がまとまりましたが、当時の八木誠会長、森詳介相談役、岩根茂樹社長が協議し、取締役会も含めて公表しないと決めていました。
(「しんぶん赤旗」2020年3月17日より転載)
川内原発1号機停止・・このまま廃炉に
井上勝博・日本共産党薩摩川内市議の話
九州電力川内原発は、安全のために必要とされている施設がないのだから、止めるのは当たり前です。
しかし、特重施設が本当に有効かどうかの保証はありません。航空機の衝突に対して安全などといえるのでしょうか。事故が起きた時に水と電力を供給するという施設に莫大(ばくだい)なお金を使っていますが、そういうものにお金をかけるのだったら太陽光や風力による電力を安定的に使うための蓄電施設などにお金を使うべきです。
また、原発を動かせば、使用済み核燃料が発生し、その処分がどうなるか将来設計も全くない中で、運転を再開するなどとんでもありません。そのまま廃炉にすべきです。
(「しんぶん赤旗」2020年3月17日より転載)