被災者支援と原発ゼロ 運動の発展を探求
全国革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす全国の会)、福島県革新懇、郡山市革新懇は、29日に福島県郡山市内で「3・11から10年へ―原発ゼロをめざすたたかいのシンポジウム」を開きます。パネリスト兼コーディネーターを務める伊東達也さん(原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員・全国革新懇代表世話人)にシンポの意義や特徴を聞きました。
シンポでは、福島原発事故から10年目を迎えようとしているなか、被災地での原発災害の実相を明らかにするとともに、安倍政権による原発推進と被災者切り捨ての政策を告発し、被災者支援と原発ゼロをめざす運動の発展を探求します。これにふさわしいパネリスト、福島現地からの報告者も決まり、期待が高まっています。
置き去り
シンポでまず明らかにしたいことは、被災地の実相です。多くの避難者が帰れない、帰らない選択を迫られ、たとえ帰還したとしても元の生活にほど遠い現地の実態を知ってほしいと思います。この状況を生み出している被災者切り捨ての政策、安倍政権による欺瞞(ぎまん)に満ちた「復興PR」や「復興五輪」がいかに被災者を置き去りにしているかを明らかにしていきたいと考えています。
現地の実相や復興のあり方についてシンポでは、「福島県復興ビジョン」検討委員会座長を務めた鈴木浩福島大学名誉教授が県民・被災者に寄り添った復興についての提言、被災当事者として南相馬市で活動する渡部チイ子さんが語ります。
命と尊厳
原発事故がいかに取り返しのつかない事態を生み、原発依存のエネルギー政策がどれほど無謀なことか、安斎育郎さんの科学者としての立場からの発言に注目です。
再稼働をやめさせ、原発ゼロをめざす運動を全国との連帯を強め発展させていく必要があります。市民と野党による「原発ゼロ実現」を含む13項目の政策を推し進め、原発ゼロ実現の政治をどのように実現させていくのか、日本共産党の志位和夫さんの発言に期待しています。
福島現地からの発言にも注目してください。
避難者による集団訴訟として、全国初の高裁判決(仙台高裁・3月12日判決予定)を迎える避難者訴訟団長の早川篤雄さん、同じく今夏に高裁判決を迎える生業(なりわい)訴訟原告団長の中島孝さんらが、命と尊厳をかけた国と東電とのたたかいを語ります。
シンポへ全国からの多くのご参加をお待ちしています。
(「しんぶん赤旗」2020年2月6日より転載)