生活保護受給者が2倍に
安倍晋三首相が議長の復興推進会議は、東日本大震災の「復興の基本方針(案)」(19日公表)で、東京電力福島第1原発事故の避難指示区域などに居住していた住民に対する医療・介護保険の保険料と窓口負担の減免措置について「見直し」を打ち出しました。その理由に保険財政の状態などをあげています。被災地の自治体は介護保険料が全国平均より高くなるなどの問題が起きています。減免措置を後退させる「見直し」に、被災地から怒りの声が上がっています。福島県双葉郡浪江町の馬場績(いさお)日本共産党町議に聞きました。
馬場共産党浪江町議に聞く
医療・介護保険の減免措置は被災者にとって文字通り「命綱」です。長期の避難による健康悪化が続出しています。
動脈瘤(りゅう)であわや命を落としそうになり、足の切断の危険があった人。夫婦で糖尿病になりインスリンをうちながら、それでも生活のために夜9時まで配送業で働いている家族…。
生活保護受給者は2017年に29件だったのが、今年11月では、64件と倍増しています。生活保
護の申請はしていないけれども、東電の賠償打ち切りで生活が困窮している人も増えています。仕事がない若者から高齢者まで全世代にわたっているのが特徴です。
浪江町の介護保険利用者は約1500人。保険料は全国市町村で5番目に高い。国保税は年収600万円以下が減免。医療費や介護保険料の減免を廃止することになったら立ち行かなくなります。
来年の3月で県の家賃支援(賠償)が打ち切りになります。働き口がない、収入がない、健康が悪化、医療費と介護保険料の減免措置は被災者にとって文字通りの「命綱」です。打ち切りになったら深刻な事態が拡大するでしょう。国はもっと被災者の生活実態を調査して被災者支援は続けるべきです。減免措置は、現在、減免されている12市町村の被災者にとって「最大の要求」です。
(「しんぶん赤旗」2019年12月22日より転載)