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スイス初の原発閉鎖・・福島事故受け新設中止

今後15年で国内すべて廃炉へ

 【ベルリン=伊藤寿庸】スイスのベルン近郊にあるミューレベルク原発が20日、閉鎖されました。同国で原発が閉鎖されるのは初めて。スイスでは2011年の福島第1原発事故を受け、原発の新設をやめ、34年までに国内の四つの原発すべてを廃炉にすることを決定。2017年の国民投票でもこの決定が確認されていました。

閉鎖となったミューレベルク原発=2018年4月(ロイター)

 ソマルガ副大統領(環境・エネルギー相を兼任)は、「歴史的だ。水と太陽からの地域、クリーンなエネルギーに未来がある」とツイート。市民団体「核からの離脱」のフィリップ・ドルージュマン代表は「歓迎する。もっと早く閉鎖すべきだった」と述べました。

 スイスの脱原発方針は、原発を耐用年数まで使用して、その後に廃炉するというもの。ミューレベルク原発は、稼働から47年たった老朽原発で、安全面の問題が多発していました。現在原子力は国内の電力の3分の1を供給しています。

 同原発を運営するベルン電力会社(BKW)は、今後15年間で完全な廃炉を進めます。費用は14億スイスフラン(1560億円)と想定されています。

(「しんぶん赤旗」2019年12月22日より転載)