東京電力福島第1原発事故に関連し、原子力規制委員会の6日の定例会合で、現地で監視する規制事務所の小林隆輔所長が「廃炉作業の品質が低下している」と報告しました。
福島第1原発でトラブルが多発しているため、現場の状況を規制事務所長から直接聞き取りたいとして会合に呼ばれました。
小林氏は、福島第1原発の状況について、「端的に言って東電は現場に目が行き届いておらず、トラブルが多発している」と指摘。現場で変更されたことが図面に反映されずにいたり、検査官が指摘したことへの対応が遅いなどの具体例を挙げました。また、現場に余裕がないことや、放射線管理関連のトラブルが多発していることなどにも言及。東電職員からは「コスト削減の目標があり、リソース(人的資源)不足を言い出せない」といった意見が出ているといいます。
東電は、来年4月から福島第1原発の組織体制の変更を計画していますが、この点に関して、「リソースをきちんと確保し、適正に配分してほしい」と述べました。
更田委員長は会合後の会見で、「そもそも人手が足りていないのではないかと問うていくことになる」と述べ、東電の経営陣と意見交換する方針を示しました。
(「しんぶん赤旗」2019年11月7日より転載)