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地産地消エネルギー 災害時にどう役立つ?・・太陽光売電→自宅活用学ぶ/ 東京・江戸川区 “NPOと行政 連携必要”

 東京都江戸川区では10月、NPO法人「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ(足温ネット)」が、災害時に太陽光発電を活用するためのワークショップを開きました。

 「千葉県で大規模停電が起き、昨年は北海道地震で長期にわたるブラックアウト(全域停電)が起きた。太陽光発電で売電している家庭は、災害時にどう対応したらいいかを知っておくことが必要」と事務局長の山崎求博(もとひろ)さん。

自立運転へ切替

高齢者共同住宅「ほっと館」に設置された足湯ネットの太陽光パネル=東京都江戸川区

 太陽光発電をしている多くの家庭は、電力会社に売電しています。太陽光パネルで作られた電力は通常、パワーコンディショナーから分電盤を通して送電線に送られます。停電になったときはパワーコンディショナーを自立運転モードに切り替える作業が必要です。

 まず、その手順を見学。

 【自立運転への切り替え手順】

 (1)パワーコンディショナーの自立運転用コンセントを確認する

 (2)取扱説明書で自立運転モードへの切り替え方を確認する

 (3)主電源ブレーカーをオフにする

 (4)太陽光発電ブレーカーをオフにする

 (5)自立運転モードに切り替える

 (6)自立運転コンセントに必要な機器を接続して使用する

 (※停電復旧時には、自立運転モード解除→太陽光発電ブレーカーをオンにする→主電源ブレーカーをオンにする、の順で必ず元に戻す)

 浸水の際は漏電の可能性があり、業者の点検が必要です。自立運転に切り替えた際は、一つのコンセントにつき通常1500ワットまでしか使えません。冷蔵庫、LED照明、パソコンやスマホの充電を確保する程度。冷房は単独で使用可能な程度です。充電池がなければ夜は止まり、朝、スイッチを入れる必要があります。

給電協定を提案

 「足温ネット」では、運営している太陽光発電所が災害時のエネルギー拠点になると考えています。「自治会と連携し、“災害時は充電などで使えます”と伝えておくつもり」と山崎さん。「ぜひ、私の自治会にも声をかけて」と参加者が手をあげました。

 足温ネットは1999年、区内の寺院の屋根に太陽光パネルを設置し、市民立・江戸川第1発電所(出力5・4キロワット)をスタート。現在は区内3カ所で太陽光発電所を運営しています。今回の会場は、足温ネットの第2発電所でもある高齢者共同住宅「ほっと館」。72枚の太陽光パネルを設置し、災害時は共用スペースである1階事務所で電気を使用できます。この事務所を、停電時に地域のエネルギー拠点としたい、といいます。

小型の太陽光発電パネルでスマホへの充電を実演する足温ネット事務局長の山崎さん(右)と代表理事の奈良由貴さん

 さらに、山崎さんは「災害時給電ネットワーク」を提案。太陽光発電のオーナーが市区町村と「発災時給電協力協定」を結び、災害に伴う全域停電時に、オーナーは近隣住民に電力を供給。自治体は延長コードやスマホ充電ケーブルなどを貸与するシステムを構築してはどうかと語りました。

 参加者からは「千葉では太陽光発電を行う家が給水スポットになっていた。太陽光発電の店舗も充電スポットとして重宝された」などの発言が。「風速50~60メートルで耐えられる架台が必要になるのではないか」「自賠責保険に入っておくことが大事」「集合住宅では建設時に架台を取り付けると、パネルの設置がスムーズになる」など、今後の課題も出されました。

 山崎さんは「病気などで電気がないと命をつなげない人もいる。市民立共同発電所は地域の財産として、自治体が認識してほしい」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2019年11月9日より転載)