再稼働プロセス見直しを
ここまで関西電力と高浜町の森山栄治元助役が深くかかわっていることに驚き、あきれています。関電は元助役との関係を歴代の役員などの引き継ぎで申し送りしていたといっていますが、組織ぐるみということです。
関電は会見で、金品の受け取りを「恫喝(どうかつ)された」とか元助役のキャラクターに収斂(しゅうれん)させていますが、事態を矮小(わいしょう)化しています。
これは関電の体質でもあり、その姿勢こそ問われています。持ちつ持たれつの関係にあったのです。関電は、元助役の力を利用し地元を押さえ、元助役は関係業者に仕事を回しているからこそ、力を増していった、相互作用です。そこまでしないと地元に受け入れられないのが原発だということです。
発注企業と深い関係がある元助役からの金品の受け取りを、関電は「違法性はない」といっていますが、問題を非常に軽くみています。それは報道されるまで隠ぺいしていたことに表れています。
関電は第三者委員会を立ち上げて検証するといっていますが、関電任せにせず、国がきちっと入って、不正な行為がなかったか徹底して調査すべきです。
他電力も含めて、原発の立地段階からさかのぼって、こうした人物や勢力とのつきあいがないかも洗い出すべきです。ここ何年かという話ではなく、非常に根深い問題だと思います。
再稼働は、こういう利害関係者が関係を結ぶ中で行われていたわけです。再稼働のプロセス自体を見直す必要があります。
原発マネー 明らかに健全でない・・規制委委員長「憤り感じる」
原子力規制委員会の更田豊志委員長は2日の定例会見で、関西電力の「原発マネー」還流疑惑について「(福島第1原発)事故を受けてもまだそんなことがと思って憤りを感じた。危機感のなさにとにかく驚いた」と述べました。
また、「伝えられている状況は、組織として健全ではないのが明らか」として、今後、関電の経営層と組織運営に関して直接聞く機会を設ける可能性に言及しました。
原子炉等規制法に基づいた対応があり得るか問われ、「事実関係が明らかになり、安全の確保にかかわるところまで影響が及ぶ話になるか、ならないか。仮定の話なので今の時点では答えられない」と述べました。
(「しんぶん赤旗」年10月3日より転載)