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原発事故 長期に影響・・新潟県検証委が生活分科会

 

避難者の生活実態について議論する生活分科会の委員(奥)と県の担当者(手前)=2日、新潟県庁

新潟県庁で9月2日、県が進める原発事故の「3つの検証」のうち、「健康と生活への影響に関する検証委員会」の第6回生活分科会(座長=松井克浩・新潟大学副学長)が開かれました。同分科会の開催は9カ月ぶり。

 丹波(たんば)史紀委員(立命館大学准教授)が、福島県双葉郡の全住民を対象にした2度の調査(2011年9月と17年2月)について講演。震災前にパートやアルバイトをしていた人(約8割が女性)の76%が震災後に職を失ったこと、6年たっても生産年齢人口(15~64歳)の32%が無職のままだったことを報告。一方、移住した地域で新たに住宅を建てた人が5割を超え、「生活再建できている人と、困難を抱えている人との『復興格差』が現れている」と話しました。

 松田曜子委員(長岡技術大学准教授)は、世帯ベースの調査では女性や若年層の意見が反映されにくいと指摘し、「望んだ仕事に就いていないかもしれず、丁寧に見ていく必要がある」と述べました。

 除本(よけもと)理史委員(大阪市立大学教授)は、原子力災害が変化しながら続いているとして「検証も、『もういいだろう』とはならない。継続的に見ていく必要がある」と話しました。

 松井座長は、事故が起きたら周辺住民がどうなるのかはっきりしてきたとして、「新潟県にも当てはめて考えたい」と話しました。

 傍聴した女性は「『明日はわが身』との思いを新たにした。柏崎刈羽原発の再稼働はしてはいけない」と話しました。

(「しんぶん赤旗」2019年9月4日より転載)