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エネ基本計画案了承 「原発ゼロ」投げ捨て・・「基盤電源」明記

経済産業省の資源エネルギー調査会基本政策分科会(会長・三村明夫新日鉄住金相談役名誉会長)は12月13日、原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけるエネルギー基本計画案を了承しました。原案段階の記述に「基盤となる」との文言を加え、さらに推進色を強めました。

東京電力福島原発事故を受け、民主党政権は昨年9月、「30年代の原発ゼロ」を表明しました。今回の基本計画案は、この「原発ゼロ」目標を完全に投げ捨てるものです。

13日の分科会で植田和弘委員(京都大学大学院教授)は、放射性廃棄物の処分方法が確立されていないことを示し、「原発に依存することは難しい」と主張。辰(たつ)巳(み)菊(きく)子(こ)委員(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問)も、計画案に反対意見を併記するよう求めました。

三村会長は「(併記は)恥ずかしい」と一蹴。6日の原案提示からわずか1週間で審議を打ち切りました。

安倍晋三政権は、年内に関係閣僚会議を開いて最終案を策定し、年明けに閣議決定する構えです。

解説・・国民の声徹底排除

「国民の意見を反映させるべきだというが、大事なことはわれわれの意見を明確に出し、それを国民に問うことだ」。三村会長の13日の発言は、今回の基本計画案が、国民の声を排除してつくられたものだということを見事に示しました。

昨年9月に発表された「革新的エネルギー・環境戦略」は、「国民的議論で作る戦略」をうたい、策定過程では意見聴取会や討論型世論調査、意見公募が実施されました。そこで示された原発ゼロの圧倒的世論が、「原発ゼロ」目標を掲げざるを得ないところへと民主党政権を追い詰めました。

この「原発ゼロ」目標に、財界・米国は猛反発。経団連は今年10月、「原子力を引き続きベース電源」とするよう求める提言を発表しています。

国民の声を徹底的に排除してつくられた基本計画案は、安倍政権の暴走を止める最大の力が世論だということも物語っています。

(佐久間亮)

 

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