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「生きるすべ奪われた」・・浪江町津島原発訴訟 原告の怒り

 東京電力福島第1原発の事故で避難を強いられている福島県浪江町津島地区の住民が、国や東電を相手取り原状回復と損害の完全賠償などを求めた「ふるさとを返せ!津島原発訴訟」(今野秀則原告団長)の第19回口頭弁論が5月24日、福島地裁郡山支部(佐々木健二裁判長)で開かれ、原告本人の日本共産党の馬場績浪江町議と、原子力技術コンサルタントの佐藤暁さんに対する尋問が行われました。

 馬場町議は浪江町津島で稲作と和牛の繁殖をする酪農を営んできました。津島は、「陸の孤島」といわれ経済的に困難な地域。「格差を無くすために町議になった」と陳述。「過疎を食い止め農業の振興に力を注ぎました」と、住民とともに活動してきたことをのべました。

 地域ぐるみ、学校ぐるみで高校の存続をまもるために地域一丸になって取り組んだこともありました。

 原発事故後「津島を消滅させてはならない」と地域ぐるみでたちあがりました。「(津島の)半数が原告になった」と証言。「『安全だ。安全だ』と宣伝してきて事故を起こしたことに怒りを覚える」とのべました。

 「原発事故は生きるすべを奪いました。故郷津島は優しいおふくろのようです。家族のようにあったかい。命の源です。私たちは何も悪いことをしていないのに惨たんたるものです。国と東電は現実に責任を取り、元に戻してほしい」と陳述しました。

 佐藤氏は、1984年から2002年まで米国ゼネラル・エレクトリック社の原子力事業部に所属。その後、原子力コンサルタントとして活動。福島原発訴訟で被害者の側に立って証言しています。

(「しんぶん赤旗」2019年5月25日より転載)