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玄海2号機・・廃炉決定 & 原発予防措置 33件放置・・東電本社 規制庁立ち入りへ

玄海2号機・・廃炉決定

九州電力玄海原子力発電所2号機(左)と1号機=佐賀県玄海町

 九州電力は2月13日、運転開始から約38年が経過した玄海原発2号機(佐賀県玄海町、出力55・9万キロワット)の廃炉を決めました。池辺和弘社長は同日午後、佐賀県庁で山口祥義知事と会い「再稼働した場合の残存運転期間などを総合的に勘案し、廃止を決定した」と説明しました。九電の廃炉決定は玄海1号機に次いで2例目。

 東京電力福島原発事故前、54基あった国内の原発は事故後、廃炉を決定、検討中は21基になります。

 九電は、再稼働に必要な「安全」対策費が2000億円に上るとみられ、採算が合わないと判断。原発のテロ対策などとして新規制基準で求められている「特定重大事故等対処施設」の設置に関し、スペースの確保などに制約があることも廃炉理由に挙げました。

 九電の報告に対し山口知事は、「廃炉作業中の安全対策に万全を期してほしい」と求めました。

 玄海2号機は、1981年3月に運転を開始。東日本大震災直前の2011年1月に定期点検に入り、現在まで運転を停止。九電は原則40年の運転期限を控え、再稼働について判断を迫られていました。

 九電管内では原発6基のうち、川内1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)、玄海3、4号機の計4基が再稼働しています。玄海1号機は15年に廃炉が決まり、作業が進められています。

(「しんぶん赤旗」2019年2月14日より転載)


原発予防措置 33件放置・・東電本社 規制庁立ち入りへ

 東京電力の各原発で起きた火災や機器の故障などについて、本社で実施すべき予防措置が必要かどうかの検討がなされていなかったとして、原子力規制庁は近く東電本社の保安検査を行います。2月13日の原子力規制委員会の定例会合で報告されました。

 規制委の更田豊志委員長は「組織態勢に関わる議論にも場合によっては影響すると思う。大きな関心をもって臨まざるを得ない」と述べました。

 規制庁によれば、福島第2原発1、2号機廃棄物処理建屋で発生した空調送風機モーターからの火災などのトラブルについて、同原発が他原発でも考慮する予防措置の検討を「要」と判断し、本社に通知。しかし、うち4件について東電本社が必要な判断をせず放置していました。

 さらに同庁が調査すると、他の原発の通知でも同様の事例が見つかりました。

 過去3年間を対象に調べたところ通知された計182件のうち、福島第1原発が5件、柏崎刈羽原発が17件、本社が7件、福島第2原発と合わせて計33件が処理されていませんでした。このため規制庁は3月上旬にも東電本社に立ち入り保安検査を実施することにしました。

(「しんぶん赤旗」2019年2月14日より転載)