東京電力は1月28日、昨年11月に柏崎刈羽原発(新潟県)で起きた地下トンネルのケーブル火災について、温度変化によりケーブルが縮んで断線したことが推定原因とする調査結果を明らかにしました。当初、警報場所の情報を消防に伝えなかったことについては、同原発の自衛消防隊長が、火災があった地下トンネルの構造を理解していなかったためとしました。
火災は昨年11月1日、地下トンネルで発生。東電によると、気温の変化などでケーブル外部のビニールが縮み、内部の銅テープが断線して熱と煙が発生したとみられます。東電はトンネル内は気温差による温度影響が小さいことを理由に対策は不要だと判断していました。今後、ケーブルを固定して収縮を抑える措置を講じるとしています。同様の設備は99ヵ所あり、2020年度内に対応を終わらせる方針です。
正確な情報を消防に伝えなかったことについては、同原発の自衛消防隊長が、警報発生場所が地下2階であると把握していたにもかかわらず、トンネルの構造を把握していないことから煙が濃い地下6階を優先したと分析しました。
また、火災発生直後に、新潟県、柏崎市、刈羽村、国に電話連絡だけで、本来送信すべきファクスが送られていなかったことを明らかにしました。調査では、宛先ボタンを間違えたため送り損なっていたとしています。
ファクスは一部報道機関にも届いていませんでした。原因について調査では、18年7月に送信データの更新作業をした際に、設定に誤りがあったためとしています。東電は今後、訓練などを強化するとしました。
同原発の設楽親所長が柏崎市役所を訪れ、調査結果を桜井雅浩市長に説明しました。桜井市長は、東電の説明に「おおむね了解した」などと述べました。
(「しんぶん赤旗」2019年1月29日より転載)