日本原子力発電は12月19日、廃炉作業中の東海原発(茨城県東海村)について、完了時期をこれまでの2020年度から25年度に5年間延長すると発表しました。延長は10年に続き2回目。
東海原発は1998年、国内の商用原発として初めて廃炉が決まりましたが、放射性廃棄物の処分場は決まっておらず、今回の再延長で廃炉の困難さが改めて示された形です。
原電によると、14年度から予定していた原子炉関連設備の解体撤去をする際の装置導入に時間がかかっているため、延長を決定しました。廃炉のスケジュールをめぐっては、10年にも3年間の延長を決めていたため、当初の予定から計8年遅れることになります。
東海原発の廃炉では、地中への埋設処分が必要な低レベル放射性廃棄物が約2万7000トン出ると見込まれています。しかし、埋設場所は決まっておらず、今後も廃炉完了に至るまでさらに時間がかかる恐れがあります。
東海原発は66年7月、国内で最初に営業運転した商用原発。核分裂反応の減速材に黒鉛を用いており、現在の国内原発の形態で、水を使う軽水炉とは異なります。98年3月に運転を停止し、01年12月から解体工事に着手しています。