COP24inポーランド 化石燃料への投資撤退が加速・・1000機関を超える 問われる日本の姿勢
【カトウィツェ(ポーランド南部)=岡本あゆ】カトウィツェで開催中の国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で12月13日、「化石燃料への投資から撤退する」とした機関が1000を超えたと、環境団体が発表しました。石炭火力への投資を続ける日本の姿勢が問われます。
報告によれば、投資の撤退を表明した1000機関の運用資産総額は約900兆円。運動が始まった2012年の181機関、5兆6000億円から大きく増加しています。
昨日、1000番目の機関となったのは、フランスの年金の管理機構「預金供託金庫」。19年以降、石炭関連事業が収益の1割以上を占める企業への投融資を打ち切ることを予定しており、石炭産業の上位200社が事実上ブラックリスト入りしました。
環境団体、350.orgのミリアム・フランクさんは「始動時には想像もしていなかった成果だ」と強調。金融機関などに、気候変動の原因となる企業への加担をやめるよう要求してきた市民運動をたたえました。
世界ではこうした「ダイベストメント(投資撤退)」と呼ばれる動きが進んでおり、大手保険会社などが相次いで石炭火力を投資先から外しています。
一方、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、石炭関連企業への投資額で世界2位。さらに世界の石炭火力発電所新設への融資の3割を、日本の銀行が占めています。
(「しんぶん赤旗」2018年12月15日より転載)
COP24inポーランド・・「化石賞」はポーランド
【カトウィツェ(ポーランド南部)=岡本あゆ】国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、最終日をひかえた12月13日、このCOPで地球温暖化対策に最も後ろ向きだった国に授与される「今年の化石賞」に、議長国ポーランドが選ばれました。
世界の環境NGOが参加するCAN(気候行動ネットワーク)が発表しました。
受賞の理由についてCANは「ポーランド政府は、自国のパビリオンで“クリーンで高効率な石炭”なるものを宣伝した」と指摘。開催前からNGOが「国際社会に歓迎されない」と説明していたにもかかわらず、耳を貸さなかったことも明かしました。
先週、ドゥダ大統領が「ポーランドはこの先200年、石炭を利用できる」などと発言したことや、COPに参加予定だった市民活動家12人を強制送還したことも“評価”されました。
授与式ではポーランドの参加者がトロフィーを受け取り、「活動家どもを国からたたき出す」と“受賞の弁”を披露。観衆のブーイングを甘受しました。
皮肉をこめて贈られる化石賞ですが、今年は最もよい役割を果たした国の表彰も行われ、フィジーなどの南太平洋の島しょ国が受賞。バヌアツ政府代表が「(気候変動の被害国として)これからも声をあげ続ける」と語ると拍手が起こりました。
(「しんぶん赤旗」2018年12月15日より転載)