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台湾 原発初の廃炉へ・・世論受け 40年の運転期限終了

 【北京=釘丸晶】台湾北部の新北市にある台湾電力第1原発の1号機が12月5日、商業運転開始から40年の稼働期限を迎え、廃炉されることが決まりました。台湾は3カ所に6基の原発がありますが、廃炉は初めてです。

 第1原発1号機は40年前の1978年12月に稼働。法定の運転期限は40年で、期限の延長申請が可能となっていますが、台湾電力は稼働延長を断念しました。

 2011年の東京電力福島第1原発の事故を受け、脱原発の運動と世論が高まったことを考慮したとみられます。台湾の同1号機はトラブルが相次ぎ、14年から運転を停止していました。

 台湾の原発は第1~第3原発にそれぞれ2基ずつ合計6基あり、2025年までにすべて商業運転の許可期限を迎えます。第1原発2号機も来年7月15日が期限となります。

3月11日に台湾で行われた反原発デモ(台湾の反原発団体「全国廃核行動プラットフォーム」のフェイスブックから)

 1号機の廃炉作業は4段階に分け、25年かけて行われる計画。ただ、新北市(野党・国民党が市長)は13年に完成した使用済み核燃料貯蔵施設の使用許可を出しておらず、作業が難航する可能性もあります。

 脱原発を主張する民進党の蔡英文(さい・えいぶん)政権の下、17年1月に、「25年までに原発の運転を全面的に停止させる」と明記した改正電気事業法が成立しました。しかし、先月24日の統一地方選と同時に実施された住民投票で、原発推進派提案の案件が過半数の賛成を得て成立し、同条文の削除が決まりました。

 ただ、蔡総統は先月29日、「脱原発の目標は変わらない。住民投票は条文の削除を決めただけで、25年までの脱原発の延期を求めたわけではない」と述べ、脱原発に向けた決意を示しました。

(「しんぶん赤旗」2018年12月7日より転載)