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東海第2原発 運転延長を認可・・規制委は無責任/舘野淳元中央大教授

 原子力規制委員会の認可は、加圧水型が先行していましたが、東海第2原発は沸騰水型原発としては柏崎刈羽原発6、7号機に次ぐ3基目です。沸騰水型は放射性物質を閉じ込める格納容器が小さく、安全性がより低いものとなっています。

 審査の当初は、あれこれと問題を指摘していた規制委でしたが、ケーブルの難燃性の要求など次々と、電力会社に妥協を重ねていったという印象です。

 IAEA(国際原子力機関)のいう原子力の安全の考え方、深層防護の最終層の第5層は、原子力防災を含みます。しかし、東海第2原発では、この第5層の問題で、とても実効性ある避難計画は無理です。原発の危険から国民の生命、健康の保護を目的とする規制委がこのような原発の稼働を許すというのは、無責任です。

 規制委は、防災計画は自らの所掌ではないとしていますが、このような原発の稼働についての責任回避でしかないでしょう。

 なぜ40年以上の運転が許されるのかの根拠も不透明です。

 規制委は、専門的・技術的な裁量が自らにあるとその正当性を主張していますが、透明性も不十分で、その裁量が妥当とはいえません。

(「しんぶん赤旗」2018年11月8日より転載)