東京電力は12月24日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水タンクを囲む堰(せき)の2ヵ所で、たまっている水の水位が低下していると発表しました。最大で計225トンが外部に漏れた可能性があるといい、東電は地面に染み込んだとみています。
水位の低下が見つかったのはH4、H4東という区域の堰。東電によると、20日にはH4区域、H4東区域とも水位は12センチありましたが、24日にはそれぞ
れ5センチ、1センチに低下していました。同原発では、堰からの水漏れが21日以後、相次いで発生しています。
H4区域にたまっている水はストロンチウム90を1リットル当たり20ベクレル、H4東区域の水は同440ベクレル含んでいて、東電が堰の水を放出する際の基準(同10ベクレル未満)を超えています。
東電は、二つの堰にたまっている水を別の場所へ移送し、水位低下の原因を調べるとしています。
止水材劣化 ひびが原因・・堰の漏水
東京電力福島第1原発で汚染水を貯蔵するタンク群を囲む堀(せき)から漏水した問題で、東電は12月24日、基礎部分の継ぎ目にある止水材の劣化やひび割れが原因と発表しました。東電は「堰に水がたまった状態が続くことは想定していなかった」と説明。また想定の甘さが汚染水漏れの拡大を招く事態となりました。
東電によると、4号機原子炉建屋西側のタンク群で、コンクリート製の基礎部分の継ぎ目の止水材が堰内にたまった水で劣化。別のタンク群では、基礎部分に発生したひび割れが気温の低下で広がったといいます。
東電は全26カ所のタンク群で、保護のために基礎部分の塗装を順次進めていますが、今回漏水したタンク群では未実施でした。水が漏れていた4カ所のうち3カ所は既に補修を終え、残りの1カ所についても堰内の水を抜き、ひび割れ部分の確認などを急ぐとしています。