東京電力の公式ツイッターアカウントが10月29日、ツイッター上に、福島第1原発4号機の燃料プールの画像に「#工場萌え」などというハッシュタグ(検索用語句)を付けて投稿(写真上)し、ツイッター利用者から「やり過ぎ」「無神経すぎる」などの批判的な投稿が殺到しました。このため同社は直後に問題の投稿を削除し謝罪しました。(写真下)
東日本大震災(2011年3月11日)と津波の直後に発生した同原発の過酷事故は、いまだに収束していません。画像が示すとみられる4号機建屋上部にある燃料プールの核燃料全1535体は14年12月までに取り出しが完了したといいますが、同事故に伴う原子力緊急事態宣言はいまだ発令中です。
「○○萌え」などのハッシュタグは、特定の趣味の分野に関心が高いマニアの注目を引くために使われています。同社は直後の投稿で、「皆さまに不快な思いをおかけし大変申し訳ございませんでした」と謝罪。「不適切なキーワードを含む記事を訂正させて頂くため」と称して「#工場萌え」を削除した形で同じ現場の画像を再度投稿しました。
原発事故に責任を負うべき同社が「工場萌え」などという特定の趣味を楽しむ人たち向けの、いわば娯楽に供する趣旨の言葉で原発事故現場の写真を投稿すること自体、同社に満ちた無責任な姿勢と国民の厳しい批判に対する鈍感さが表れています。
(「しんぶん赤旗」2018年10月30日より転載)