東京電力福島第1原発で放射性物質に汚染された地下水が海へ流出している問題で、東電は12月27日、1、2号機タービン建屋より海側にある観測用井戸で26日に採取した地下水から、ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり2300ベクレル検出されたと発表しました。前回23日の採取では検出限界値である同24ベクレル未満でした。
東電によると、この井戸は護岸から約10メートルの距離にあります。これまでここで採取された地下水の濃度の最大値は10月3日の同72ベクレル。
1、2号機海側では地下水から特に高い濃度の放射性物質が検出される傾向にあります。このため、東電は護岸近くに止水剤を注入して土の壁を造るとともに、地下水位が上昇して壁を乗り越えて流出しないようくみ上げ作業を行っています。
今回、濃度が上昇した井戸は土の壁よりは内陸側ですが、地下水のくみ上げ場所よりは海側。東電は「原因については分からない」と話しています。