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東電裁判 津波対策遅れ 危機感・・社員が事故前状況を証言 & 2号機建屋の穴開け始まる 福島第1

 

東電裁判 津波対策遅れ 危機感・・社員が事故前状況を証言

東京地裁

 東京電力福島第1原発事故をめぐって、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経

営陣3人の第7回公判が4月17日、東京地裁でありました。事故前に同原発の津波対策を担った東電社員が先週に続き、再び証言しました。

 社員は、2008年6月に元副社長の武藤栄被告(67)に「防潮堤の拡張」などの津波対策を提言後、「具体的に(対策が)進んでいるだろうと思っていた」と証言。しかし武藤被告が同7月31日、対策をいったん保留するとの判断を下したといいます。

 その後の津波対策について、社員は「全く行われなかったわけではないが、各グループがバラバラにやっていたという状況」と述べ、津波対策が社内で横断的に進んでいないことに「危機感があった」と話しました。

 旧経営陣側は「切迫性はなかった」「防潮堤の設置などの対策を行っていても浸水は防げなかった」と主張しています。

 社員は「(10メートル超の津波のおそれは)否定できないと考えていた。09年には対策をする必要があると提案していた」と述べるとともに、事故前に旧原子力安全・保安院の審議官からも「津波対策が完了していないと、即アウト(運転停止)になりかねないとの発言があった」と述べました。

 次の公判は24日で、東電の別の社員が出廷する見込みです。

(「しんぶん赤旗」2018年4月18日より転載)


2号機建屋の穴開け始まる 福島第1

 東京電力は16日、福島第1原発2号機の使用済み核燃料取り出しに向け、原子炉建屋最上階の外壁に、外側から穴を開ける作業を始めました。建屋内にこもった放射性物質の飛散を防ぐため、壁の外側に組んだ足場に、開口部を覆う金属製の前室を設けました。作業は6月中旬まで行う予定。

 2号機最上階の使用済み燃料プールには、核燃料615体が保管されています。東電は取り出しに向けた調査を行うため、厚さ20センチのコンクリートの外壁に幅約5メートル、高さ約7メートルの穴を開けます。

 事故で炉心溶融(メルトダウン)を起こした1~3号機のうち、2号機の原子炉建屋は水素爆発を免れましたが、内部に放射性物質がこもっています。2012年6月に建屋の屋根に穴を開けて実施した調査では、2号機の原子炉真上で約880ミリシーベルト約の廃線量を計測しました。

(「しんぶん赤旗」2018年4月18日より転載)