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川内原発の降灰量評価「受け入れ難しい」・・規制委部会で

 

 巨大噴火に備えて原子炉停止を命じる基準などを検討する原子力規制委員会の原子炉安全専門審査会「原子炉火山部会」が4月13日開かれました。会合で、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)での降灰量を最大15センチと九電が評価し審査で妥当と判断されたことに対し、「受け入れるのは難しい」などの意見が部会を構成する複数の外部専門家から出されました。

 規制委はこの日、火山に関する規制要求の内容を、川内原発の審査結果(2014年9月、基準「適合」)を例に説明。九電は、敷地に最も影響が大きな噴火として約1万3000年前の姶良(あいら)カルデラでの桜島薩摩噴火を考え、降灰量をシミュレーションして最大15センチと推定しました。

 専門家は「シミュレーションは風向きなど月平均値で計算している。しかし、風向や風速は変化があるので、最大・最小の幅を待った形で再度検討すべきではないか」と指摘。建物の吹きだまりでは倍にもなるから「現実的にこのまま受け入れるのは難しい」と発言しました。別の専門家も「決定論的な推定であり、自然現象が相手で、試料も少ないのだから、少し危険性が残る」と述べ、対策も幅を持った考え方がいいとしました。

 九電が薩摩噴火の火山灰が原発付近で見つからないとした点についても、「古い時代の火山灰は過小評価の可能性がある。もう少し大きな現象が起こるかもしれないと考慮する必要がある」との意見もありました。

(「しんぶん赤旗」2018年4月14日より転載)