東京電力は、福島第1原発事故による営業損害賠償について原発事故の影響で失われた利益(年間)の2倍分を一括して支払うことになっていますが、実際に避難指示区域外の事業者からの請求に対して2倍分で合意したのは2月5日時点で半数に満たないことを初めて明らかにしました。
日本共産党の岩渕友議員が4月5日の参院経済産業委員会で賠償の実績をただしたのに対し、東電の小早川智明社長が答えました。
また、東電は「一括賠償後も被害がある限り賠償する」としていますが、追加賠償の支払い合意件数は2月末で1件のみであることも明らかになりました。
岩渕氏は、東電の賠償値切り・打ち切りについて、福島県商工会連合会、旅館、観光事業者の「風評被害はなくなったとされた」「まだ自立していないのかと言われる」などの訴えを示し、「賠償基準はブラックボックス。基準を示すべき」と世耕弘成経産相に迫りました。また、賠償組織の要員が2年前から半減している資料や職員の声を示し、実態を調査し十分な体制をとるよう指導すべきだと求めました。
世耕氏は、賠償組織の体制については「相談件数は減っており、十分」と強弁しつつ、「個別の事情をうかがって丁寧に対応するようしっかりと指導する」と答弁しました。
(「しんぶん赤旗」2018年4月7日より転載)