東京電力福島第1原発で放射性物質に汚染された地下水が海へ流出している問題で、東電は1月11日、海側の観測用井戸で9日に採取した地下水から全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり220万ベクレル検出されたと発表しました。これまでの最高値は昨年(2013年)12月に測定された同210万ベクレルでした。
東電によると、この井戸は第1原発2号機タービン建屋の海側、護岸から約40メートルの場所にあります。セシウムは検出できないほど低い値ですが、全ベータの濃度は非常に高く上昇傾向にあり、原因は分かっていません。
国の基準によるストロンチウム90の濃度限度は同30ベクレル未満。汚染水から検出される全ベータの中で、ストロンチウム90が占める割合は半分程度と考えられており、基準を大幅に超えて地下水が汚染されている疑いは濃厚です。