【パリ=浅田信幸】スペインの風力発電が2013年の最終消費電力の21・1%を占め、電力源の第1位となったことがこのほど明らかになりました。風力を含む再生エネルギーの開発が進んだことに伴い温室効果ガスの排出量も23%削減されたことが話題になっています。同国のREE社(送電網運営会社)が2013年12月の予備的報告で明らかにしたものです。仏経済紙レゼコー(電子版)は「欧州におけるエネルギー新時代」を告げるものだと報じました。
各種報道によると、同国では昨年、風力による発電量が一昨年比12%増の約540億キロワット時に達しました。これで平均的な1550万世帯、つまり同国のほぼすべての世帯の消費電力をまかなうことができるといいます。
また風力や水力、太陽光など再生可能エネルギーによる発電量が全体の42%に達したと予測されています。一方、一昨年まで発電量の第1位を占めていた原子力発電の割合は20%でした。
スペインでは経済危機のため電力需要が減少しています。英紙ガーディアンは、この電力需要の減少と組み合わさった「再生可能エネルギーへの劇的な移行」が「発電部門での同様に劇的な(温室効果ガス)排出量の削減をもたらした」と解説しています。
同紙はそのうえで、スペインの実績は「(再生可能エネルギー)部門が、停電の危険を冒すことなく、近代経済に対し電力の多くを供給できるという、さらに進んだ証拠とみなされることになりそうだ」と指摘しています。