日本共産党国会議員団は8月10日、青森県六ケ所村の日本原燃・再処理工場などの調査を行いました。高橋千鶴子、藤野保史の両衆院議員、辰巳孝太郎、岩渕友の両参院議員、諏訪益一県議らが参加しました。
政府は、「核燃料サイクル」の維持のため新たに使用済燃料再処理機構を設立し、再処理事業を日本原燃に委託する制度を発足させています。再処理工場は、原子力規制委員会で新規制基準への適合性審査が続けられていますが、日本原燃は2018年の運転を目指すとしています。
議員団は、日本原燃の高瀬賢三常務執行役員から事業概要について説明を受け敷地内の施設を調査。再処理工場のほかMOX(プルトニウム、ウラン混合酸化物)燃料工場の工事現場、さらに、今後原発の廃炉などで大量に発生する放射性レベルが比較的高い制御棒などの廃棄物を埋設する中深度処分の技術に関しての試験施設に入りました。
調査した低レベル放射性廃棄物埋設地では今月、同地に受け入れていた廃棄体の放射能推定値が間違っていたことが発覚しています。議員団は、放射能の推定などは発生元の電力会社まかせで、日本原燃のチェックが不十分であると指摘。日本原燃は今後、再発防止対策を検討していくと説明しました。
高橋議員は「原発から運び込まれた使用済み核燃料を貯蔵するプールはほぼ満杯、中間貯蔵と言いながら、高レベル放射性廃棄物の受け入れは最終処分場が決まらないまま22年経過している。核燃サイクルの矛盾が一層明らかになった。中深度処分の試験についてもあいまいな説明だ。なし崩しに受け入れをさせないためにも監視を強めていきたい」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2017年8月11日より転載)