東京電力福島第1原発事故で、溶け落ちた核燃料(デブリ)を1~3号機の原子炉内から回収する作業について、廃炉作業を支援する原子力損害賠償・廃炉等支援機構は7月31日、格納容器の底にたまったデブリから先行するとした計画案をまとめ、政府の廃炉・汚染水対策会議に示しました。
底部だけに水を張る「気中工法」で、側面から底部にアクセスするのが合理的としています。政府は今後、具体的な検討を進め、9月をめどに方針を決定します。
計画案では、ロボット調査などで原子炉内部の情報が集まってきたと指摘。上部からよりも側面からの方が底部への距離が短く、使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業も並行して行えるとしました。
放射性物質の飛散などを抑えるため、格納容器を水で満たし、上部から回収する「冠水工法」も検討しましたが、水漏れ防止作業を安全に実施するのは現状では困難として見送りました。
(「しんぶん赤旗」2017年8月2日より転載)