内閣府原子力委員会(岡芳明委員長)は7月18日の定例会議で、今後の原子力政策の長期的な方向性を示す「原子力利用に関する基本的な考え方」案に対する意見募集の結果を明らかにしました。
4月27日から6月5日の間に728件の意見が寄せられました。意見を踏まえ部分的な修正はするものの、「原子力利用を進めていくべき」だとする原発や核燃料サイクルを進める内容は変わりません。近く原子力委で正式決定後、閣議に付されるといいます。
意見では「福島原発事故の原因究明をしっかりしてほしい」「原発はいったん事故を起こせば甚大な被害を及ばす」など原発からの撤退を求める意見が目立ちます。
原子力委は定例会議で意見を約40に分類し考え方を示しています。「国民の不信・不安は原子力を利用し続けるなら避けられない根源的なもの」という意見に対し、「科学的に正確な情報や客観的な事実に基づき検討し、総合的に判断していく必要がある」と回答。「原発のコストが高い」という意見には、経済産業省の作業部会の試算を示した上で「継続的な検討が必要」などとしています。
「基本的な考え方」案では、政府や電力会社、研究開発機関などが福島原発事故を契機に「生まれ変わる必要がある」として、今後の原子力利用にあたっての課題を8項目にまとめています。
(「しんぶん」赤旗2017年7月19日より転載)