東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域に指定された福島県浪江町津島地区の住民が国と東電に損害賠償と原状回復などを求めた「ふるさとを返せ 津島原発訴訟」(今野秀則・原告団長)第8回口頭弁論が7月14日、福島地裁郡山支部(佐々木健二裁判長)で開かれました。原告本人の窪田たい子さんと石井ひろみさんが意見陳述をしました。
「私たちのふるさと津島は、すばらしいところです。山があり、水が清く、花が咲き、人はやさしい。そんな浪江町津島が奪われたのは3月11日」と窪田さん。その日は夫の誕生日だったこと、母は故郷を奪われ「死にたい」とよく言うようになったと陳述しました。
「生活基盤も奪われ、母は認知症になり、家族の気持ちはギクシャクし、津島に帰るめども立ちません。放射能で自然豊かなふるさとを汚された私たちの気持ちを重く受け止めてほしい」と訴えました。
石井さんは、「私たちは巨大津波の被害者ではありません。原発の被害者です。あなた方はずっと前から原発の危険を知っていた、それなのに何もしなかったのです」「津島を返せというのは人生を返せということです」と証言しました。
(「しんぶん」赤旗2017年7月15日より転載)