原子力規制委員会は7月12日、東京電力福島第1原発の事故処理に関する「リスク低減目標マップ」を改定しました。
前回の改定(昨年12月)以後、3号機使用済み燃料プールのガレキ撤去でのダスト飛散対策の実施・監視が完了。新事務本館建設により、持続的廃炉作業のための労働環境改善の課題がすべて終了したと評価しました。
一方、委員からは、建屋内にたまった高濃度の放射能汚染水に油が浮いていることが処理の障害になっているという指摘や、汚染水増加の要因である建屋への地下水流入を抑制する対策(サブドレン計画)が一定の効果をあげているものの「根本的解決には至っていない」という見解が出されました。
タンクに大量にたまっている、汚染水処理装置で除去できない高濃度のトリチウム(3重水素)を含む汚染水の処分については、実施時期は未定のまま。会合では、海洋放出などの方策について東電側に具体化を求める意見がありました。
倒壊の恐れが指摘される1、2号機排気筒の上部解体をめぐって田中俊一委員長は「大きな懸念事項。できるだけすみやかに、慎重にやらなければいけない」と述べました。
(「しんぶん」赤旗2017年7月13日より転載)