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原発固執 雇用規制緩和も、財界代弁し政策決定に関与・・経団連次期会長の榊原定征氏

経団連の次期会長に東レ会長の榊原定征(さかきばら・さだゆき)氏が内定しました。榊原氏は政府の産業競争力会議の民間議員を務めています。会議の場で財界利益の代弁者として、安倍政権の政策決定に関与してきました。

多くの国民が「ゼロ」を望む原発。榊原氏は世論に背を向け、原発に固執しています。産業競争力会議で「原発を将来にわたって、我が国の基幹エネルギーの1つとして位置付けることが必要。原発を早期に再稼働させることを、新たなエネルギー基本計画に明確に反映してほしい」と要求。政府が2013年12月に公表した「エネルギー基本計画案」は、原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけました。

臨時国会で成立した産業競争力強化法と国家戦略特区法にも、榊原氏の意向が反映されています。榊原氏は産業競争力会議の第1回会合で「日本版産業競争力強化法の制定」を提起していました。産業競争力強化法には「企業実証特例制度」が盛り込まれました。企業単位で規制緩和を認めるこの仕組みは、榊原氏が「法人単位の実証特例制度を実現していただきたい」と求めていたものです。特区についても「国際競争力のある、大幅に規制緩和がされた総合特区を作るべき」だと主張し、国家戦略特区法制定に道筋をつけました。

雇用の規制緩和も積極的に提言。解雇を容易にする限定正社員について「検討も進めるべき」だと求めました。労働時間法制については、裁量労働制を「使い勝手のいいような形に改革すべきだ」と要求した上で、「改革にあたっては、個別企業の労使合意に委ねるということが望ましい」と主張しました。

さらに、「労働時間に関し一挙に一律一様な規制緩和の適用が困難であるならば、特区で先行的に実施するやり方もある」と強調。厚生労働省労働基準局長が「企業単位で特例を認める、あるいは特区で実施するという考え方については、企業間の公正競争の観点ということからも、なじまない」と指摘すると、「なじまないから全くだめだということではなく、前向きの姿勢をぜひ示していただきたい」と噛み付きました。

このほか、法人実効税率の引き下げや投資減税などの税制優遇や環太平洋連携協定(TPP)の早期締結といった要求を繰り返しています。

榊原氏は13年5月29日の産業競争力会議で「我々のようなグローバル企業の場合、世界中のどこで投資をするかという際に、さまざまな条件を比較したうえで、国内有利であれば国内、海外が有利であれば海外ということになるため、国内で投資をできるような環境整備をお願いしたいと思う」と述べました。

国民経済を発展させるという責任を投げ捨て、大企業の身勝手さをむきだしにしています。

(柳沢哲哉)

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