プルトニウム検出せず・・原子力機構 内部被ばく過大評価か
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で5人が被はくした事故で日本原子力機構は6月9日、事故翌日の7日に5人が搬送された放射線医学総合研究所(千葉市)の測定で、プルトニウム239がいずれも検出限界未満だったと発表しました。原子力機構は、内部被ばく量を過大評価した可能性があるとしました。
原子力機構は6日、事故が起きた部屋の外で除染した後に検査。50代の男性職員の肺から最大2万2000ベクレルのプルトニウムが検出されたと発表。合わせて4人の体内から放射性物質が検出され、1人もその疑いがあるとしていました。
原子力機構は、体の表面に付着した放射性物質も含めて測定したために「過大評価した可能性は否定できない」と説明し、「原子力機構が測ったレベルでの被ばくではない」としました。
ただ、今回の検出限界値がいくらなのか、事故後の検査では検出されたアメリシウム241の検出の有無については「情報を持ち合わせていない」との説明にとどまりました。
放医研の測定は今後もあり、尿の検査も予定されているといいます。
(「しんぶん」赤旗2017年6月11日より転載)
床に複数の黒い粒子・・機構が被ばく後写真公開
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(茨城県大洗町)の被ばく事故で、原子力機構は6月9日、事故後の現場写真を初めて公開しました。
核燃料物質が入ったステンレス製容器が置かれた作業台(フード)周辺の床面に、複数の黒い粒子が落ちていることがわかりました。原子力機構は「破裂した時に出た粒子ではないか」と説明し、放射性物質の可能性があると説明しました。
原子力機構によると、事故翌日の7日に事故が起きた燃料研究棟108号室内の汚染状況を調査。床面14力所を拭き取って測定したところ、室内全体が汚染され、最大1平方センチ当たり55ベクレルの放射性物質が検出されました。
事故は6日午前11時15分ごろ発生。50代の男性職員が、点検のためにウランとプルトニウムの酸化物などが入った金属製容器のふたを開けたところ、容器内のビニール袋が破裂。核燃料物質が飛散し、作業員が被ばくしました。
原子力機構によると、5人は事故発生から3時間、室内で待機していました。室外で除染や検査をする作業スペースを設置するためだったとし、「予定していなかった。準備に時間がかかった」と説明しています。また、室内を継続監視するカメラがありましたが、事故時の録画はないと説明しました。
燃料研究棟内に同様の容器は80個あり、2月から31個点検。それまでと違う種類の核燃料物質が入った容器を点検して事故が発生しました。同じ種類の容器は20個残っているといいます。
(「しんぶん」赤旗2017年6月11日より転載)
原子力機構職員3人を停職処分・・飲酒運転など
日本原子力研究開発機構は6月9日、飲酒運転を行ったなどとして、課長級職員ら3人を停職の懲戒処分にしたと発表しました。
原子力機構によると、もんじゅ運営計画・研究開発センター(福井県敦賀市)に所属する課長級の50代男性職員は2016年3月、敦賀市の機構宿舎敷地内で物損事故を起こしました。飲酒後に自家用車を運転していたとし、9日付で2ヵ月の停職処分となりました。
また、核燃料サイクルエ学研究所(茨城県東海村)所属の20代男性職員は16年12月、東海村のJR東海駅付近で飲酒後に自家用車を運転したとして、道交法違反(酒気帯び運転)罪で略式起訴され、今年1月に罰金40万円の略式命令を受けました。この車には同僚の20代男性職員も同乗していました。原子力機構は9日付で運転していた職員を停職1ヵ月、同乗していた職員を停職15日としました。
(「しんぶん」赤旗2017年6月11日より転載)